私は、1日の中でパソコンのキーボードに触れる時間が多い方だと思います。
「使う時間が長いのであれば、できるだけ良いものを」
と思い、3年前から、Happy Hacking Keyboard(以下「HHKB」)というキーボードをiMacにつなげて使っています。
なぜ、割高なキーボードを使うのか?
HHKBは、いわゆる「高級キーボード」の部類に入ります。
上位モデルの市場価格は3万円台。
「パソコンに付属しているキーボードで十分」
「数千円のワイヤレスキーボードで満足」
と考えている方にとって、その値段は驚きかもしれません。
あえて3万円台の高級キーボードを選ぶ理由。それは、このツイートに集約されています。
HHKBユーザーに多いのが、ライター・プログラマーなど、日常的にキーボードの入力作業をしている人です。
毎日触れるものだからこそ、「道具」にこだわりを持つのでしょう。
私も、過去にいろいろなキーボードを試してみましたが、もっとも疲れにくく、打ちやすいキーボードは、HHKBでした。
HHKBが「高級キーボード」と言われる理由
HHKBは、なぜ「高級キーボード」と言われているのでしょうか。
理由は、「静電容量無接点方式」といわれる構造にあります。
一般的なキーボードは、電気スイッチのように金属の接点でオンオフを判別するため、キーを本体の底まで押し込む必要があります。
一方、「静電容量無接点方式」を採用したキーボードは、静電気でキーのオンオフを判別する構造になっています。
その構造によって、タイピングしやすくなり、耐久性も上がります。
特殊な構造をしているため、「静電容量無接点方式」を採用しているキーボードは高価になる傾向にあります。
良かったこと・メリット
HHKBのメリット
- 長時間入力しても疲れにくい
- 掃除・メンテナンスがしやすい
- 耐久性に優れ、コストパフォーマンスが良い
長時間入力しても疲れにくい
Apple Magic Keyboard からHHKBに変えて、長時間のタイピングで疲れにくなりました。
HHKBは、キーを底まで押し込まなくても入力できるので、軽いキータッチで打てます。
Apple Magic Keyboardは、金属の接点でオンオフを感知する仕組みなので、キーを本体の底まで打つ必要があります。
これが、長時間の入力作業で、疲れとして蓄積されます。
一方、HHKBは、指の力をキーボードが吸収してくれるような打ち心地で、長時間ストレスなくタイピングできます。
掃除・メンテナンスがしやすい
キーボードの中に物が挟まり、やむをえずキーを外したけど、もとに戻らなくなった――そんな経験はありませんか?
HHKBのキーはシンプルな構造で本体に付いているため、キーの抜き差しがしやすいです(外すときは専用工具を使うと外しやすくなります)。
簡単に中を掃除できるので、清潔に使えます。
耐久性に優れ、コストパフォーマンスが良い
HHKBには、一般的なキーボードと違い、金属の接点がありません。
静電気で入力を感知する仕組みなので、接点がすり減らず、長持ちします。
メーカーによると、3,000万回以上の入力にも耐えられるのだそう。
割高な印象のHHKBですが、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いです。
使って感じた欠点・デメリット
HHKBのデメリット
- 厚みがある
- モバイル用途には向かない
- 試したくても、実機を置いている店舗が少ない
- タイプミスをしやすい
厚みがある
厚みがあるので、少し手首を上げて入力する必要があります。
薄型キーボードに慣れた人は、逆に疲れるかもしれません。
HHKBの手前にパームレスト(手のひらを置く台)を置くと便利です。
私は、FILCOのウッドリストレストを使っています。
HHKBとサイズがぴったりで使いやすいです。木製なので肌触りが良く、頑丈で長持ちします。

モバイル用途には向かない
何度か、HHKBを外に持ち出して、iPadのキーボードとして使ってみました。
バッグの中でかさばる上に、重量もありますので、モバイル用途では使いにくい印象です。
個人的な感想ですが、iPadの外付けキーボードは、Apple純正のフォリオキーボードがベストです。
薄くて軽いので、バッグの中でかさばりません。
また、iPadとの接続の手間がかからず、開いたらすぐに使えますし。
試したくても、実機を置いている店舗が少ない
買おうかどうか迷っている方は、実際に触って打鍵感を試してみるのが一番ですが、置いてある店舗はあまり多くないようです。
打ち心地を試したい人は、セブン-イレブンのATMを使ってみてください。
公式のTwitterでも紹介されている通り、セブン-イレブンのATMは静電容量無接点方式のキーボードが採用されています。
実機が置いてあるお店が近所になくても、身近なところで打鍵感を試せます。
厳密にはHHKBのキーと同じではないですが、打つ感覚は近いです。
タイプミスをしやすい
軽いキータッチで打てるので、ちょっとキーに触っただけで入力されます。
間違えて触って入力されるときがあり、タイプミスが多くなります。
この辺は、打ちやすさと紙一重ですね…
HHKBは、こんな人におすすめ
HHKBをおすすめしたい人
- 長時間キーボードで入力作業をする人(プログラマー、ライター、ブロガー、ゲーマー)
- 毎日使うものに、こだわりたいという人
- パソコン作業による疲れや肩こりが気になる人
逆に、経理事務や数字入力の多い方にはおすすめしにくいかも。
HHKBは全モデルがテンキーレスですので。
私は、別途テンキーを買って数字入力をしています。

HHKBの選び方
2020年9月現在、HHKBシリーズには、合計16種類のバリエーションがあります。
モデルは大きく分けて3種類。各モデルに3種類(または2種類)のキー配列があり、白と黒2種類のカラーが展開されています。
モデル名 | 機能 | 価格 | 英語 配列 | 英語 無刻印 | 日本語 配列 |
---|---|---|---|---|---|
HYBRID Type-S | 静音モデル BluetoothまたはUSB-C | ¥35,200 | 黒・白 | 黒・白 | 黒・白 |
HYBRID | BluetoothまたはUSB-C | ¥30,250 | 黒・白 | 黒・白 | 黒・白 |
Classic | USB-C | ¥25,300 | 黒・白 | 黒・白 | - |
※黒色モデルの商品表記は、「墨」
そこそこの値段がするキーボードでもあり、最初はかなり迷うと思います。
用途別におすすめのモデルを別記事にまとめてみました。どのモデルを選んだらよいか、迷われたときは、参考にしてみてください。

HHKBの便利な使い方
HHKBは、他のキーボードと比べ独特なキーボードです。
キーをカスタマイズしたり、アイテムを追加したりすると、より便利に使えます。
HHKBのキーをカスタマイズする
HHKBは、DIPスイッチやキーマップなどを使って、自分好みにカスタマイズできます。
仕事で文字入力が多い人は、自分好みのキーボード設定にすると、より効率的にタイピングできます。

アイテムを追加する
アイテムを追加すると、さらにHHKBが使いやすくなり、タイピング効率が上がります。
もちろん単体でも十分使えるキーボードですが、周辺アイテムがあると、打ちやすさや機能性がアップします。
私がHHKBと一緒に使っている使っているアイテムは、次の5つです。
- パームレスト
- エネループ
- テンキー
- トラックボール
- 昇降デスク
それぞれのアイテムの具体的な使い方は、別記事で紹介しています。

HHKB実機レビュー
私が使ってきたHHKBは2台。
1台目は、HHKB BT(日本語配列・墨)。2台目は、HHKB HYBRID Type-S(日本語配列・白)です。
HHKB Professional BT
1台目として使っていた、BTモデル(現在は旧モデル)です。BTモデルのペアリングは1台まで。4台まで切り替えできる現行モデル(HYBRID)との大きな違いです。
新モデルが出たことで、Amazonの販売価格が下がっているようです(2020年9月現在)。
パソコン1台しか接続しないという人は、このモデルでも良いかもしれません。
HHKB Professional HYBRID Type-S(静音モデル)
2019年12月に登場した現行モデルです。
Bluetoothで4台までペアリングでき、接続の切り替えがスムーズなので、作業効率が一気に上がりました。
静音モデルを選んだのは、テレワークでも音を気にせずタイピングできるようにするため。
通常モデルと比べ、入力時の音が抑えられています。
タイピング作業が今まで以上に楽しくなる
HHKBは、使えば使うほど、「手になじむ」「指に吸い付く」という言葉がぴったりです。
この特性は、長いタイピング作業に真価を発揮します。
もともと、キーボードで入力する作業は好きでしたが、HHKBを使うことで、よりその楽しさが増したように感じます。
今回の記事で紹介したように、HHKBは長時間の作業でも、ストレスなく入力できるキーボードです。
プログラミング、原稿執筆、ブログ記事作成など、長時間のタイピング作業が多い方におすすめしたいキーボードです。
また、テレワーク(在宅ワーク・リモートワーク)が増えてきた方にもおすすめです。
この記事のまとめ
- HHKBは、打つことが楽しくなるキーボード
- タイピングのストレスが減り、キーボード入力に集中できる
- 毎日使うものは、こだわって選んでみよう