校正作業(朱入れ)は、ライターや編集のお仕事をされている方に限らず、いろいろなお仕事の現場で行われる作業です。
「校正作業あるある」
手間がかかる

メールで届いた書類の校正って、手間がかかるのよね。
印刷したりスキャンしたりで工程が多くて…。



iPadとApple Pencilを使えば、画面上で校正できます。
印刷やスキャンの手間が省けますよ。
書類の持ち運びが面倒



書類を持ち運ぶと、カバンの中でかさばるし、折れたり、しわになったり。
PDFデータで校正できないかな?



iPadでPDFファイルを読み込み、そのままApple Pencilで書き込めます。
iPadはカバンの中で場所をとりませんし、持ち運びも簡単です。
手書き文字の読み間違え



ボールペンで書いた文字が、相手に読み間違えられた…
狭いスペースに書いたから、字が小さくて読みにくかったのかも…



iPadを使うと、校正指示をテキストで入力できます。
受け取った相手も内容をコピペできるので、便利ですよ。
修正に手間がかかる



朱入れを間違えたので修正テープで訂正。
細かい作業だし、間違えた範囲が広いと時間がかかる…



私もよくやってました…。
iPadでの校正作業は、デジタル処理なので、修正も簡単です。
筆者は、書類や印刷物の校正作業(朱入れ)をするとき、iPadとApple Pencilを使っています。
朱入れする書類を手書きアプリで開き、Apple Pencilで作業を行う流れです。
iPadとApple Pencilを使った校正作業の流れ
iPadは、Apple Pencilを本体に付けた状態で持ち運べます。iPad自体も薄くて軽いですし、カバンの中でかさばりません。
どこでもPDFの校正作業ができますし、プリンターがないところでも作業ができるのもメリットです。



書類の校正や確認を行う機会が多い方は、今回紹介する方法を参考にしてみてください。
iPadを使った朱入れが便利な理由
- 物理的な書類が不要
- 場所を選ばない
- 細かい作業ができる
- ペンと同じように図や字が書ける
- 修正しやすい
- データで受け渡しができる
- 活字で校正テキストを入力できる
物理的な書類が不要
データとして保存できるので、ページ数が多くても、大量の紙を持ち運ぶ必要がありません。
また、メールで送られてきた書類でも、印刷しなくても端末上で校正作業が可能です。
場所を選ばない〜テレワーク・リモートワークに最適



外出先で書類がメールで送られてきた。
プリントアウトしないと、ペンで校正できない…



iPadでメールの書類を開けば、画面上で校正できますよ!
ネット環境があればどこでも作業ができるので、テレワークやリモートワークにも適した方法です。
細かい作業ができる
iPadはピンチイン・ピンチアウトで書類を拡大縮小できます。
拡大すると、細かい部分に字や記号を記入できます。


紙とボールペンの場合、狭いスペースには書きづらいですし、小さな文字を書くと、字がつぶれて読みづらくなります。



画面の拡大縮小が自由にできるのも、iPadを使うメリットです。
ペンと同じように図や字が描ける
PDFファイルは、パソコン上で注釈ツールを使って図やテキストの挿入ができますが、使い勝手があまりよくありません。
Apple PencilはiPad上で本物のペンのように描画できるので、自分の思い通りに矢印や丸を付けたり、イラストを描いたりできます。



紙にペンで書くように校正できます。
修正しやすい
手書きの朱入れは、赤い水性ペンや赤ボールペンで作業するので、朱入れを間違えた場合、修正液や修正テープで訂正します。
間違えた箇所が広いと、修正にも時間がかかります。おまけに、修正したところは上から書きにくくなります。
iPadでの朱入れは修正が楽です。消しゴムツールを使っても良いですし、「やり直し(アンドゥ)」機能を使って、前の状態に戻すこともできます。



元の作業に戻れるのは、デジタルのメリットですね。
データで受け渡しができる
iPad上で朱入れした書類は、電子データとして保存できるので、作業が終わったらそのまま相手先にデータ送信できます。
メールアプリに添付するだけでなく、Dropbox・Googleドライブ・OneDriveなどのクラウドサービスでも共有できます。



紙の校正原稿をメールするのは、スキャンしたり、ファイル名を付けたりと、データにする手間がかかるのが難点です。
活字で校正テキストを入力できる
iPadのアプリによっては、活字(テキストデータ)で朱入れできるものがあります。紙の朱入れとの一番大きな違いです。


テキストで朱入れをすると、



自分の書いた文字が、相手に正確に伝わるか心配…
と、心配しなくても良くなります。
また、PDFで保存した場合、朱入れしたテキストはデータとして認識されるので、相手がそのままコピペできる利点があります。
訂正内容を間違いなく伝えることができ、場合によっては訂正テキストをコピペして使えます。



朱入れする人、朱入れをされたものを受け取る人、どちらにもメリットがあります。
iPadを使った朱入れ作業の手順
GoodNotesをインストールする
Apple Pencil対応の定番手書きアプリ「GoodNotes」。
この記事で紹介した、「PDFや画像の読み込み」「Apple Pencilを使った朱入れ」「活字テキストの挿入」「PDFの書き出し」機能をすべて持っています。



他にも校正に対応したアプリがありますが、テキストの挿入がしやすいので、私はGoodNotesをおすすめします。
GoodNotesに書類を取り込む
校正に取りかかる前に、作業の下準備をします。
書類がデータファイルの場合
作業する書類がデータファイルの場合は、Split Viewでファイルアプリからドラッグするのが一番手軽な方法です。


PDFの他、JPEGなどの画像データも取り込めます。


紙媒体の場合
紙の書類をiPadで校正するには、まずiPadのカメラで撮影し、画像データにします。
GoodNotesには、カメラを使ったスキャナ機能が実装されています。
角を認識して書類だけ切り取ってくれる上、画像処理で書類を見やすくしてくれます。


GoodNotesで朱入れを行う
準備ができたら、 朱入れ作業を行っていきます。
赤のペンを選択する


左上のペンのアイコンをタップし、ボールペンツールを選択します。線の太さが均一なので、朱入れ作業向きです。
右の丸いアイコンをタップし、「ペンのカラー」画面で線の色を選びます。無難に赤で良いでしょう。
最後に、線の太さを決めます。線のアイコンをタップして太さを選びます。
小さい字が主体のドキュメントなら線を細めに、イラスト主体のドキュメントなら太めにすると見やすいです。
線の太さはあらかじめ3種類用意されています。選択している線のアイコンをもう一度タップすると、線の太さを微調整できます。
線を入れる & 丸で囲む
訂正を指示する箇所に線を引きます。ここでは、「シェイプツール」を選択します。フリーハンドで描いた線を整形してくれるツールです。
このツールを選択した状態で、線を引いていきます。


直線、長方形、丸囲みなど、綺麗に整形してくれるので、訂正箇所の指定に重宝します。
テキストツールで訂正テキストを入力する
文字の訂正指示は、前述の通り、テキストにしておいた方が正確に伝わります。指示内容がコピペできるようになるので、相手側の手間も減ります。


- 「テキストツール」を選択します(「T」マークのアイコン)。
- 文字を配置したい場所をApple Pencilでタッチします。
- テキスト入力状態になるので、画面キーボードで文字を入れていきます。
- 入力し終わったら、別のところをタッチします。
- 後からテキストを訂正するときは、文字の部分をタッチして、再度入力状態にします。
データを送る
朱入れ作業が完了したら、相手先にデータを送ります。
左上の「共有アイコン」(四角形に上矢印)をタップし、「共有」メニューを表示させます。


「すべてを書き出す」を選択し、「PDF」を選んだ状態で「書き出す」をタップします。オプションは初期設定のままで良いでしょう。


共有先が一覧で表示されます。メールアプリ、クラウドアプリなど、送り先を指定し、相手先にデータを送信してください。
iPadとApple Pencilで校正書類作業の生産性アップ
オンラインで仕事をする場面が増えています。
今回紹介した方法は、ライターや編集のお仕事をされている方だけでなく、いろいろな仕事の現場で活用できると思います。



デジタルデータで校正できるのって、便利ね!



iPadとApple Pencilを使いこなすと、どこでも快適に作業ができます。
おまけに、作業時間を大幅に短縮できますよ。
- 校正作業がiPadで完了するので、ペーパーレス化できる
- 紙と同じような校正作業ができる
- 校正内容をテキストで挿入すると、相手先も便利
iPad・Apple Pencil 対応表
iPad | Apple Pencil |
---|---|
iPad Pro (2018年~) | Apple Pencil (第2世代) |
iPad Air (2020年~) | Apple Pencil (第2世代) |
iPad (2018年~) | Apple Pencil (第1世代) |
iPad mini (2021年~) | Apple Pencil (第2世代) |
- Apple Pencil(第2世代)
-
2022年3月現在、ほとんどのiPadのモデルに対応。マグネット式なので本体に付けて持ち運び可能。その状態で充電もされる。アプリによっては、Apple Pencilのダブルタップでツール切り替えが可能。
- Apple Pencil(第1世代)
-
一世代前のモデル。現行モデルで対応しているのは、無印iPad* のみ。キャップを外してiPadの充電端子に差し込んで充電する。本体にマグネットで取り付けできないうえ、断面が丸いので転がりやすく、紛失・落下に注意が必要。
* モデル名の後ろに「Air」「Pro」「mini」が付かないモデル


iPad Pro・iPad Air・ iPad miniに対応したApple Pencil。
筆者は、iPad Pro 11インチとiPad miniで愛用。
マグネットで本体にくっつけて充電する。本体とペンをセットで持ち運べるので、思いついたときにすぐ書けて便利。
Apple iPad Pro (11インチ, Wi-Fi, 128GB) – スペースグレイ
iPadシリーズのフラグシップモデル。筆者は2018年モデルを愛用。
グラフィック性能が高く、Apple Pencilの描画も滑らか。他の機種に比べてスピーカーの性能も高く、YouTubeの視聴にもおすすめの1台。



動画でiPadとApple Pencilの魅力を詳しく解説しています。
あわせてご覧ください。


iPadは、Wi-Fiモデル・セルラーモデルどっちがおすすめ?



iPadって、Wi-Fiだけのモデルとセルラーモデルの2種類あるんだよね?どっちがおすすめなの?



私は、アップルストアでiPadのセルラーモデルを購入し、SIMカードを挿して運用しています。
月々の料金がかかりますが、外に持ち出すことが多い方は、セルラーモデルがおすすめです。



Wi-Fiモデルにして、出先はiPhoneのテザリングじゃダメかな?



それでも良いんですが、テザリングは肝心な時に接続できない時もあったり、接続に手間がかかったりするのが難点ですね。iPhoneの電池消耗が早くなりますし…
Wi-Fi環境が整っていない所での利用が多い人は、セルラーモデルを購入し、SIMを利用すると良いでしょう。
もちろん、セルラーモデルもWi-Fiに接続できるので、フリーWi-FiがあるカフェなどではWi-Fi接続に切り替え、通信料金を抑えることができます。



筆者は、iPadに 楽天モバイル