パソコン作業が日常の大部分を占める私にとって、キーボードは欠かせないアイテムです。
愛用しているキーボードは、PFUから販売されているHappy Hacking Keyboard(通称「HHKB」)。
Macと連携して活用しています。
なぜ、割高なキーボードを使うのか?
HHKBって、結構なお値段がするキーボードでしょ?
なんでそんな高いの使うの?
キーボードを使う時間が長いからですね。
「長時間使用するなら、質の良いものを選ぶべき」という考えです。
HHKBは、いわゆる「高級キーボード」の部類に入ります。
上位モデルの市場価格は3万円台。
「パソコンに付属しているキーボードで十分」
「数千円のワイヤレスキーボードで満足」
と考えている方にとって、驚きの金額かもしれません。
あえて3万円台の高級キーボードを選ぶ理由。それは、このツイートに集約されています。
HHKBユーザーに多いのが、ライター・プログラマーなど、日常的にキーボードの入力作業をしている人です。
毎日触れるものだからこそ、「道具」にこだわりを持つのでしょう。
実際、私自身もさまざまなキーボードを試してきましたが、疲れにくさと打ちやすさで際立っていたのはHHKBでした。
HHKBが「高級キーボード」と言われる理由は?
HHKBは、なんで「高級キーボード」なの?
理由は、「静電容量無接点方式」といわれる構造にあります。
多くのキーボードは、金属の接点を用いた電気スイッチでキーのオンオフを判断するため、キーを底まで押し込む必要があります。
しかし、HHKBのように「静電容量無接点方式」を使用するキーボードは、静電気を利用してキーのオンオフを検出する構造です。
そのため、より軽いタッチでタイピングが可能となり、耐久性も向上します。
この独特な構造が、価格が高めに設定される理由の一つです。
HHKBの良いところ・メリットは?
- 長時間入力しても疲れにくい
- 掃除・メンテナンスがしやすい
- 耐久性に優れ、コストパフォーマンスが良い
長時間入力しても疲れにくい
HHKBって、ほんとに長時間のタイピングでも疲れないの?
「静電容量無接点方式」のおかげで、軽いタッチで打てるので、指の疲労が軽減されるんです。
Apple Magic KeyboardからHHKBに切り替えた結果、長時間タイピングしても疲れにくくなりました。
HHKBは軽いキータッチで入力可能なため、キーを底まで押し込む必要がありません。
一方、Apple Magic Keyboardは金属の接点を用いてオンオフを判断するため、キーを底まで押す必要があるのです。
この違いが、長時間の作業における疲労の蓄積を減らします。
HHKBは、まるで指の力を吸収してくれるような打ち心地で、ストレスなしに長時間タイピングを可能にします。
掃除・メンテナンスがしやすい
キーボードって、埃やゴミが溜まりやすいものもあるよね。
HHKBはどうなの?
キートップが外しやすいので、掃除やメンテナンスが楽々できますよ。
HHKBのキーはシンプルな構造で取り外しやすく設計されており、専用工具を使うことでさらに簡単に外せます。
これにより、内部の掃除が手軽にでき、キーボードを清潔に保つことが可能です。
耐久性に優れ、コストパフォーマンスが良い
打ちやすくて便利なのはわかったけど、やっぱりお値段が気になるわ…
割高な印象のHHKBですが、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いですよ。
HHKBには、一般的なキーボードと違い、金属の接点がありません。
静電気で入力を感知する仕組みなので、接点がすり減らず、長持ちします。
メーカーによれば、このキーボードは3,000万回以上のタイピングに耐えうるとされています。
そのため、耐久性を考慮すれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
HHKBの欠点・デメリットは?
- 厚みがある
- モバイル用途には向かない
- 試したくても、実機を置いている店舗が少ない
- タイプミスをしやすい
厚みがある
写真で見ると、結構厚みがあるように見えるんだけど?
確かに、一般的なキーボードに比べて厚みがありますね。
手前にパームレストを置くと良いですよ。
HHKBは、厚みがあるので、少し手首を上げて入力する必要があります。
薄型キーボードに慣れた人は、逆に疲れるかもしれません。
HHKBの手前にパームレスト(手のひらを置く台)を置くと便利です。
私は、FILCOのウッドリストレストを使っています。
HHKBとサイズがぴったりで使いやすいです。
木製なので肌触りが良く、頑丈で長持ちします。
モバイル用途には向かない
厚みがあると、持ち運びには向かないわね…
そこそこ重さもありますしね…
HHKBをiPadの外付けキーボードとして持ち出したことがありますが、バッグの中でかさばる上に重いため、モバイル用途にはあまり向かないと感じました。
iPad用の外付けキーボードは、Apple純正のSmart Keyboard FolioやMagic Keyboardが最適だと思います。
薄く軽量で、バッグの中で場所を取らず、iPadとの接続も簡単で、開けばすぐに使用できる利便性があります。
試したくても、実機を置いている店舗が少ない
打ち心地を試してみたいんだけど、どこにも実機を置いてないのよね…
セブン-イレブンのATMの打鍵感がHHKBに近いですよ。
HHKBの購入を検討している方には、直接触れて打鍵感を体験することをおすすめしますが、展示している店舗はそれほど多くありません。
打ち心地を確かめたい場合は、セブン-イレブンのATMを試してみてください。
公式Twitterによると、セブン-イレブンのATMでは静電容量無接点方式のキーボードが採用されており、HHKBと似た打鍵感を体験できます。
近所に実機を置いているお店がなくても、身近な場所で似た打鍵感を試すことができます。
HHKBのキーと完全に同じではありませんが、感触は似ています。
タイプミスをしやすい
軽いキータッチで入力できるため、わずかにキーに触れただけでも文字が入力されます。
このため、誤って触れてしまうと、タイプミスが増えることがあります。
この辺は、打ちやすさと紙一重ですね…
HHKBは、どんな人におすすめ?
HHKBって、どんな人に向いてるの?
長時間キーボードを使う人向けのキーボードですね。
毎日使う道具にこだわりのある人、肩こりが気になる人にもおすすめです。
- 長時間キーボードで入力作業をする人(プログラマー、ライター、ブロガー、ゲーマー)
- 毎日使うものに、こだわりたいという人
- パソコン作業による疲れや肩こりが気になる人
逆に、経理事務や数字入力の多い方にはおすすめしにくいかも。HHKBは全モデルがテンキーレスですので。
私は、数字入力のためにLoupedeck CTという左手デバイスを使っています。
HHKBの選び方は?
HHKBのモデルは大きく分けて3種類。
そして、それぞれのモデルに、英語と日本語のキー配列があり、黒・白・純白の3種類のカラーが展開されています。
文字が印字されていない、無刻印モデルもあります。
モデル名 | 機能 | 価格 | 日本語 配列 | 英語 配列 | 日本語 無刻印 | 英語 無刻印 |
---|---|---|---|---|---|---|
HYBRID Type-S | 静音モデル 無線接続(Bluetooth)、 または有線接続(USB-C) | ¥36,850 | 墨・白・雪 | 墨・白・雪 | 雪 | 墨・白・雪 |
HYBRID | 無線接続(Bluetooth)、 または有線接続(USB-C) | ¥31,900 | 墨・白 | 墨・白 | - | 墨・白 |
Classic | 有線接続(USB-C) | ¥26,950 | - | 墨・白 | - | 墨・白 |
※「墨」表記は黒色モデル
※「雪」表記は純白モデル
マウスの要らない Studioモデル
この他にも、マウスボタン・ポインティングスティック・ジェスチャーパッドを搭載した「HHKB Studio」が、2023年にリリースされました。文字入力だけでなく、マウス操作もできるモデルです。(静電容量無接点方式ではなく、メカニカルスイッチが採用されています)
HHKB Studio(英語配列・日本語配列) ※色は墨のみ
Liteモデルは構造が違う
HHKBには、上記以外に「Lite」モデルがあります。
価格は5,000円台と、他のモデルに比べ割安ですが、キーボードの構造そのものが全く違うので、本記事では除外しました。
そこそこの値段がするキーボードでもあり、最初はかなり迷うと思います。
用途別におすすめのモデルを別記事にまとめてみました。どのモデルを選んだらよいか、迷われたときは、参考にしてみてください。
筆者のHHKB使用歴
私が使ってきたHHKBは3台。
- 1台目:HHKB BT(日本語配列・墨)
- 2台目:HHKB Professional HYBRID Type-S(日本語配列・白)
- 3台目:HHKB Professional HYBRID(英語配列・墨)
HHKB Professional BT
1台目として使っていた、BTモデル(現在は旧モデル)です。BTモデルのペアリングは1台まで。4台まで切り替えできる現行モデル(HYBRID)との大きな違いです。
新モデルが出たことで、Amazonの販売価格が下がっているようです(2024年2月現在)。
パソコン1台しか接続しないという人は、このモデルでも良いかもしれません。
HHKB Professional HYBRID Type-S(静音モデル)日本語配列
2019年12月に登場した現行モデルです。
Bluetoothで4台までペアリングでき、接続の切り替えがスムーズなので、作業効率が一気に上がりました。
静音モデルを選んだのは、テレワークでも音を気にせずタイピングできるようにするため。
通常モデルと比べ、入力時の音が抑えられています。
HHKB Professional HYBRID Type-S
HHKB Professional HYBRID Type-S(静音モデル)英語配列
今使っているのは、3台目。墨(黒色)の英語配列モデルです。
日本語配列とは若干キーが違ったり、カーソルキーがない点が特徴ですが、慣れれば問題ありません。
静音モデルではないですが、個人的にはこの打鍵感の方が好みです。
タイピング作業が今まで以上に楽しくなる
HHKBの使用感は「手に馴染む」「指が吸い付く」と表現するのがピッタリです。
このキーボードは長時間のタイピング作業でその真価を発揮します。
もともとキーボード操作が好きだった私ですが、HHKBの使用によりその楽しみが一層深まりました。
この記事で述べたように、HHKBは長時間の作業でも快適に入力できるため、プログラミング、原稿の執筆、ブログの作成などタイピングが多い作業におすすめです。
打ちやすく疲れにくいので、テレワークでパソコン作業が増えた方にもおすすめします。
- HHKBは、打つことが楽しくなるキーボード
- タイピングのストレスが減り、キーボード入力に集中できる
- 毎日使うものは、こだわって選んでみよう
モデル名 | 機能 | 価格 | 日本語 配列 | 英語 配列 | 日本語 無刻印 | 英語 無刻印 |
---|---|---|---|---|---|---|
HYBRID Type-S | 静音モデル 無線接続(Bluetooth)、 または有線接続(USB-C) | ¥36,850 | 墨・白・雪 | 墨・白・雪 | 雪 | 墨・白・雪 |
HYBRID | 無線接続(Bluetooth)、 または有線接続(USB-C) | ¥31,900 | 墨・白 | 墨・白 | - | 墨・白 |
Classic | 有線接続(USB-C) | ¥26,950 | - | 墨・白 | - | 墨・白 |
※「墨」表記は黒色モデル
※「雪」表記は純白モデル
マウスの要らない Studioモデル
この他にも、マウスボタン・ポインティングスティック・ジェスチャーパッドを搭載した「HHKB Studio」が、2023年にリリースされました。文字入力だけでなく、マウス操作もできるモデルです。(静電容量無接点方式ではなく、メカニカルスイッチが採用されています)
HHKB Studio(英語配列・日本語配列) ※色は墨のみ
Liteモデルは構造が違う
HHKBには、上記以外に「Lite」モデルがあります。
価格は5,000円台と、他のモデルに比べ割安ですが、キーボードの構造そのものが全く違うので、本記事では除外しました。